工場の生産性を劇的に向上させるオイルスキマー!浮上油回収装置の完全ガイ ド①
【オイルスキマーの基礎知識】
〇オイルスキマーとは何か?
オイルスキマー(浮上油回収装置)とは、
工作機械で使用する切削油(水溶性クーラント)や洗浄液に混入した作動油や潤滑油とい
った浮上油を自動的に回収する装置です。
製造現場では、NC 旋盤やマシニングセンタなどの工作機械を稼働させる際、
切削液(クーラント)を使用しますが、機械の作動油や潤滑油が混入し、液面に浮上油として浮かび上がります。
この浮上油を放置すると、切削液の劣化、腐敗臭の発生、加工精度の低下など、さまざまな問題を引き起こします。
オイルスキマーは、この浮上油を効率的に除去することで、
切削液の寿命を延⾧し、工場の生産性とコスト削減を同時に実現する重要な設備です。
〇オイルスキマーの仕組みと原理
オイルスキマーは、油と水の比重差を利用した装置です。一般的に油の比重は水よりも軽
いため、液面に浮上します。この性質を活かし、以下のような仕組みで浮上油を回収しま
す。
基本的な動作原理:
1. 回転するベルト・円盤・チューブなどが液面に接触
2. 親油性の高い素材が浮上油を吸着・付着
3. 液面から上がった部分でワイパーやスクレーパーが油を掻き取る
4. 回収した油は専用タンクに貯留
この連続的な動作により、24 時間自動で浮上油を回収し続けることができます。
〇オイルスキマーが必要な理由
製造現場でオイルスキマーが必要とされる理由は多岐にわたります。
1. 切削液の寿命延⾧
浮上油を除去することで、切削液の酸化や腐敗を防ぎ、切削液の交換サイクルを2 倍
以上に延⾧できます。
2. 加工精度の向上
クリーンな切削液を維持することで、工具寿命が延び、加工精度が安定します。
3. 作業環境の改善
油の腐敗による悪臭を防止し、作業員の健康被害リスクを低減します。
4. コスト削減
・切削液の交換頻度減少
・工具の⾧寿命化
・廃油処理費用の削減
・フィルターやノズルの目詰まり防止
5. 環境対応
廃液量を減らすことで、環境負荷を軽減し、SDGs への取り組みにも貢献します。
〇オイルスキマーの種類と選び方
オイルスキマーには複数のタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。
設置場所や回収したい油の量、タンクの形状などに応じて最適なタイプを選ぶことが重要
です。
主要3 タイプ
1. ベルトスキマー
特徴:
・無限ループ状のベルトが液面を回転し、浮上油を付着させて回収
・ 最も一般的なタイプで、幅広い用途に対応
・ 比較的安価で導入しやすい
適用シーン:
・ 中型~大型のクーラントタンク
・ 開口部が広いタンク
・ 1 台で複数の機械に使用したい場合
2. 円盤スキマー
特徴:
・ 回転する円盤を液面に浸し、付着した油をワイパーで回収
・ ベルト式よりも高い回収能力(毎時5 リットル以上)
・ メンテナンスが容易
適用シーン:
・ 浮上油の量が多い現場
・ 高効率回収が必要な場合
・ 大型タンクや排水処理施設
3. チューブスキマー
特徴:
・チューブ状の回収媒体を使用
・ ベルト・円盤タイプと比較して切削液の持ち出しが少ない
・ 狭い開口部にも設置可能
・ 設置場所を選ばない柔軟性
適用シーン:
・ NC 旋盤や小型マシニングセンタ
・ 開口部が小さいタンク
・ 複雑な形状のタンク
・ 切削液のロスを最小限に抑えたい場合
〇選び方のポイント
オイルスキマーを選ぶ際は、以下の5 つのポイントを考慮しましょう。
1. タンクの形状とサイズ 開口部の大きさや深さ、タンクの形状に合わせてタイプを選択
2. 浮上油の発生量 1 日あたりの浮上油量に応じた回収能力を持つ機種を選定
3. 設置スペース 工場内の限られたスペースに設置可能なコンパクトモデルも検討
4. 切削液の種類 水溶性・不水溶性など、使用する切削液に対応した素材を選択
5. メンテナンス性 日常的な清掃やメンテナンスのしやすさも重要な選定基準
田中インポートグループでは、
お客様の現場に最適なオイルスキマーを揃えております。
(弊社取扱商品ページはこちら:https://www.semi-drycut.com/products/)
・ チューブスキマー TS900(特許取得製品)
・ 円盤スキマー ES300(毎時5 リットルの高回収能力)
・ ベルトスキマー BS200(1 台で複数機対応)
・ スーパーオイルスキマー WSP-15A(消耗品不要)
・ スラッジ・切粉クリーナー SCP20-SF, WF(国内最高クラスの吸引力)
「世界を見て、日本の現場に応える」をモットーに、グローバル品質で、ものづくりを進化させます。
デモ機貸出・お問い合わせについて
オイルスキマーの導入効果を実機でご確認いただけるよう、デモ機の無料貸出も行っております。
お客様の現場で実際に使用し、回収能力や操作性をご体験ください。
(デモ機ご依頼ページはこちら:https://www.semi-drycut.com/demo_sample/)
次回の田中インポートグループのコラムをお楽しみにお待ちください!